イミクアッドクリーム

尖圭コンジローマの場合	就寝前に患部にクリームが見えなくなるまですり込みます。 起床後に塗布したイミクアッドクリームを石鹸で洗い流してください。 使用期間は原則16週間までです。
日光角化症の場合	就寝前に患部に塗布します。最大で1包使い、クリームが見えなくなるまですり込んでください。 4週間使用した後に4週間休薬し、症状が治った場合はそのまま治療を終了します。 症状が残っている場合は、休薬の後に再び4週間塗布を続けてください。

商品概要

商品名	イミクアッドクリーム（Imiquadcream）
内容量	1箱/3袋、1袋/0.25g
効果・効能	尖圭コンジローマ、日光角化症
用法・用量	1日1回、3ml
有効成分	イミキモド5％
形状・剤形	クリーム
副作用	紅斑、びらん、表皮剥離、浮腫など
メーカー	Glenmark Pharmaceuticals Ltd
発送国	インドなど

イミクアッドクリームは、患部に塗るだけで尖圭コンジローマや日光角化症の治療ができる薬です。

日本でもベセルナクリームとして処方されており、多くの患者さんがこの薬によって症状を改善しています。

尖圭コンジローマの治療をしたい方

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスの6型や11型などが原因となって起こる感染症です。

性病の一種として知られており、性器にイボのようなできものができます。

イミクアッドクリームは、尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスの増殖を抑制することで、症状を改善する薬です。また、免疫機能を高めることで体がウイルスと闘う働きをサポートし、ウイルスに感染した細胞を障害する働きももっています。

尖圭コンジローマを発症した場合、放置していてもイボが治ることはありません。むしろ時間が経つにつれて大きくなり数も増えていきます。イミクアッドクリームは、塗るだけで尖圭コンジローマを治すことができる便利な治療薬です。

日光角化症の治療をしたい方

尖圭コンジローマの治療に用いられることの多いイミクアッドクリームですが、日光角化症の治療薬としても承認を得ています。日光角化症は、がんの一種です。光線角化症や老人性角化症とも呼ばれています。高齢者にできることが多く、長期にわたり紫外線を浴びることで発症するがんです。手術で取り除いたりイミクアッドクリームを使用したりして治療します。

外科的治療に抵抗がある方

尖圭コンジローマの治療法としては、電気メスやレーザーを使った方法が良く行われています。ただし、これらのような外科的治療を行ったとしても、ウイルスそのものを排除できるわけではありません。

イボが取れて見た目はきれいになりますが、3か月以内に25％もの方が再発すると言われています。一方でイミクアッドクリームの場合は、原因となるウイルスの増殖を防いだり免疫機能を高めたりする働きがあるため、再発率が約10％と少ないことが特徴です。

イミクアッドクリームは、尖圭コンジローマと日光角化症の2つの疾患に効能効果 が認められています。イミクアッドクリームと同成分を含むベセルナクリーム5％を尖圭コンジローマの患者さんに4週間にわたって塗布してもらったところ、イボの面積が約80％以上減少するという結果が出ました。4週間使用することでイボが完全に消失した方の割合は63.6％です。

イボの大きさがどのように変化するか調べた試験では、塗布後4週で78.6％、8週で88.1％、16週で100.0％となりました。この結果から、塗布後4週でイボのサイズに大きく変化が出ることが分かります。イボが完全に消失するまでにかかった期間の中央値は8.1週間です。

一方で、日光角化症の方にベセルナクリーム5％を塗布してもらった試験では、4週間塗布して4週休薬し、再び4週間塗布する方法を取った方のうち57.1％で病変の完全消失が見られました。

〈尖圭コンジローマの場合〉

1回の用量	適量
1日の服用回数	1日1回
服用間隔	週3回
服用のタイミング	就寝前
使用方法	就寝前に患部にクリームが見えなくなるまですり込みます。起床後に塗布したイミクアッドクリームを石鹸で洗い流してください。使用期間は原則16週間までです。

〈日光角化症の場合〉

1回の用量	適量
1日の服用回数	1日1回
服用間隔	週3回
服用のタイミング	就寝前
使用方法	就寝前に患部に塗布します。最大で1包使い、クリームが見えなくなるまですり込んでください。起床後に石鹸で洗い流します。4週間使用した後に4週間休薬し、症状が治った場合はそのまま治療を終了します。症状が残っている場合は、休薬の後に再び4週間塗布を続けてください。

イミクアッドクリームの使い方は少し特殊です。尖圭コンジローマと日光角化症のどちらに使う場合も、使用回数は週に3回となります。分かりやすいように「月・水・金」や「火・木・土」などのようにタイミングを決めるのがおすすめです。連日使用は決してしないようにしてください。

尖圭コンジローマの場合は塗布後6～10時間、日光角化症の場合は塗布後8時間を目安に洗い流します。イミクアッドクリームは個包装になっていますが、残った分は再使用せず破棄してください。

なお、尖圭コンジローマに使う場合は患部のみにすり込むようにし、ほかの部位には付かないように気をつけましょう。塗布が終わったら、必ず手指を石鹸で良く洗ってください。

イミクアッドクリームの有効成分はイミキモドです。イミキモドは、インターフェロン-αの産生を促進することでヒトパピローマウイルスの増殖を抑制します。また、免疫系細胞から分泌されるサイトカインの産生を介し、免疫機能を高めることでヒトパピローマウイルスに感染した細胞を障害する働きもあることが特徴です。

サイトカインとは、細胞間の情報伝達を担っている低分子のたんぱく質のことで、免疫機能が正常に働くために必要な物質として知られています。

イミキモドが日光角化症にも効果を発揮する理由については、今のところ明らかになっていません。日光角化症は、長期的に紫外線にさらされることで皮膚の細胞のDNAが損傷し、さらに損傷した細胞に対する免疫反応が低下するために起こると考えられています。

低下した免疫反応をイミキモドが賦活化し、損傷した細胞を死に至らしめることで日光角化症の症状を改善するのではという説が有力です。

イミクアッドクリームの尖圭コンジローマに対する治療の臨床試験の結果、16週間、週3回の頻度でイミクアッドクリームの使用を継続した場合、尖圭コンジローマの対患者55名の96.4％に、イボなどの病変部位の面積の減少が認められ、病変部位の完全な消失が認められた患者の割合は、63.6％であったと報告されています。

Q：妊娠中でもイミクアッドクリームは使用できますか？

妊娠中でも使えないことはありません。しかし、妊娠中にイミクアッドクリームを使用する安全性についてはきちんと確立されていないのが現状です。イミクアッドクリームを使用する有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ妊娠中の方でも使用できます。

Q：開封して余ったイミクアッドクリームは再使用してもいいですか？

イミクアッドクリームは再使用せず、残った分は必ず破棄してください。その際、漏れ出たクリームが患部以外に付着しないように紙や袋に包んで破棄するのをおすすめします。

Q：月経中もイミクアッドクリームを使って大丈夫ですか？

月経中はイミクアッドクリームの使用に注意が必要です。ナプキンを使うと塗布部位が密封されて副作用が出やすくなりますので、タンポンを使うなどしてナプキンはできるだけ使わないようにしてください。もしナプキンを使わないことが難しい場合は、月経が終わるまで休薬しましょう。