クロメン

商品概要

有効成分のクロミフェンクエン酸塩は代表的な排卵誘発剤です。

同類薬のセキソビット（有効成分シクロフェニル）と比較して、より強力な効果があり、確実な排卵効果が得られるといわれています。

欠点として、効果が強力なため子宮内膜などに効き過ぎてしまい副作用を起こすおそれがあるので、症状をよく観察して厳密な服薬コントロールが必要です。

女性・男性どちらの不妊症にも優れた効果が報告されており、妊娠を希望している方の服用がおすすめです。

高い排卵誘発率があります

有効成分のクロミフェンクエン酸塩の臨床試験では、服用することで高い排卵誘発効果が報告されています。

総合的な排卵成功率は44.9％といわれており、月経（生理）があっても排卵していない状態である無排卵周期症の場合で排卵の成功率は75％、第1度無月経（軽度の視床下部障害）で56.3％、第2度無月経（視床下部-脳下垂体-卵巣系の高度な異常）で5.9％と報告されています。

男性不妊に長年使われてきた実績がある

有効成分のクロミフェンクエン酸塩は最近ようやく正式に男性不妊症の適応を取得しましたが、古くから適用外で男性不妊のために使用されていました。

日本でも長年の実績があり、世界的にも乏精子症に対して標準的な治療として用いられています。そのため優れた治療効果が期待できます。

クロメンは卵胞の発育をよくして排卵を誘発します。通常、排卵障害に基づく不妊症の治療に用いられます。卵巣過剰刺激の結果として、多胎妊娠（双子、三つ子など）する可能性があります。

男性の場合は、精巣に働きかけ、精子の分化成熟や男性ホルモン（テストステロン）の生合成を促進し、乏精子症（精子の数が一般的な数値よりも少ない状態）を解消します。

排卵障害にもとづく不妊症の排卵誘発の場合、 通常、第1クールとして1回1錠（クロミフェンクエン酸塩として50mg）を、 消退性出血または月経開始日5日目から5日間服用します。第1クールで排卵せず無効の場合、1日2錠（100mg）に増量して 5日間服用します。用量および服用期間は1日2錠、5日間が限度です。

生殖補助医療における調節卵巣刺激の場合、通常、1日1回、1錠を月経周期3日目から5日間服用します。効果不十分な場合は、次周期以降の用量を1日2錠に増量します。

男性の乏精子症における精子形成の誘導の場合、通常、1回1錠を隔日（1日おきに）服用します。

有効成分クロミフェンクエン酸塩は、排卵誘発剤、抗エストロゲン剤とよばれるグループに属する薬です。

女性ホルモンのバランスを調整し、卵巣を刺激して排卵が起こりやすくなる働きがあります。

また、男性においては精巣に作用して精子形成を助けたり、男性ホルモン（テストステロン）を増やす作用もあり、古くから男性の不妊症に対しても適応外で用いられていましたが、2022年の不妊治療保険適用拡大により、正式な効能として承認されて現在では広く用いられるようになりました。

主な副作用として、目の霞みなどの視覚症状、発疹、精神変調などが報告されています。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した重篤な副作用の初期症状である可能性があります。

• •下腹部痛、お腹がはる、吐き気[卵巣過剰刺激症候群]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談するように注意喚起がされています。

クロメンの使用に注意する人

• •妊娠を望まない無排卵患者…治療上やむを得ないと判断される場合を除き、服用しないでください。
• •子宮筋腫のある患者…子宮筋腫の発育を促進するおそれがあります。
• •子宮内膜症のある患者…症状が増悪するおそれがあります。
• •乳癌の既往歴のある患者…乳癌が再発するおそれがあります。
• •乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者または乳房レントゲン像に異常がみられた患者…症状が増悪するおそれがあります。
• •多嚢胞性卵巣のある患者…卵巣過剰刺激症候群が起こりやすいです。
• •未治療の子宮内膜増殖症のある患者…子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があります。
• •前立腺肥大のある患者…アンドロゲン産生を促進するため、症状が増悪するおそれがあります。
• •本人および家族の既往歴などの一般に血栓塞栓症発現リスクが高いと認められる患者…クロメンを用いた不妊治療を女性に行う場合、服用の可否については、クロメンが血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断する必要があります。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意してください。
• •肝障害または肝疾患の既往歴のある患者…肝障害を悪化させるおそれがあります。
• •授乳婦…治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討してください。

クロメンを使用してはいけない人

＜効能共通＞

• •エストロゲン依存性悪性腫瘍（例えば、乳癌、子宮内膜癌）およびその疑いのある患者…腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
• •肝障害または肝疾患のある患者…肝障害を悪化させるおそれがあります。
• •アンドロゲン依存性悪性腫瘍（例えば前立腺癌）およびその疑いのある患者…アンドロゲン産生を促進するため、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すおそれがあります。

＜排卵障害にもとづく不妊症の排卵誘発、生殖補助医療における調節卵巣刺激の場合＞

• •卵巣腫瘍および多嚢胞性卵巣症候群を原因としない卵巣の腫大のある患者…卵巣過剰刺激作用により更に卵巣を腫大させるおそれがあります。
• •妊婦…動物試験で胎児毒性並びに催奇形作用が認められています。
• •活動性の血栓塞栓性疾患の患者…症状が悪化するおそれがあります。

併用禁忌

• •特に無し

併用注意

• •特に無し

重要な基本的注意

• •眼のかすみ、眼の前に霧がかかったような感じなどの視覚症状があらわれるおそれがあるので、高所作業、自働車の運転など危険な機械の操作は避けるように注意喚起がされています。
• •服用し忘れた場合は気が付いた時点で、すぐに服用してください。ただし、次に服用する時間が近いときは、1回分を飛ばしてください。2回分を一度に服用してはいけません。

参考サイト

• •クロミッド錠50mg（https://www.info.pmda.go.jp）

Q：不妊症の治療でクロメンを飲むのに注意することはありますか？

A：女性の排卵障害に基づく不妊症の排卵誘発の場合、クロメンを服用する段階で既に妊娠している可能性を完全に排除する必要があります。

そのため、クロメンを使用する服用前の少なくとも1ヵ月間、および排卵誘発の治療を行っているあいだは基礎体温を必ず記録し、排卵誘発の有無を確認するように注意喚起がされています。

Q：下腹部の痛みやお腹が張ったり、吐き気、腰痛、急激に体重が増加したりしました。大丈夫ですか？

A：クロメンを服用したことで卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあります。質問にあったような自覚症状があらわれた場合には、すぐに医療機関を受診する必要があります。

また、クロメンの5日間の服用終了後も含め少なくとも不妊治療中は、超音波検査を受けるなど卵巣の大きさをこまめに確認することが推奨されています。

Q：射精時の快感は増幅しますか？

A：クロメンを服用することで射精時の精子の量が増える効果が得られますが、それに伴って射精時のオーガズムが上昇するなどの効果は報告されていません。そのような効果を求めるのであれば、必要に応じて媚薬や精力増強剤などを併用するようにしてください。