トップコートクリーム

部位毎におすすめの数量は？

トップコートクリームの適量は、症状が現れている部位の広さによって異なります。以下の表は、各部位に対するトップコートクリームの使用回数と1日3回1週間の使用において必要な本数となります。

商品概要

トップコートクリームには、一般のステロイド剤と比較して、強力な抗炎症作用があります。

ステロイド剤は炎症を抑える強さによって、大きく5段階に分けられています。弱いものから順番に、weak（弱い）、medium（普通）、strong（強い）、verystrong（とても強い）、strongest（最も強い）に分類されています。

モメタゾンフランカルボン酸エステルはその5段階中2番目に強いレベルであるvery strong（とても強い）に分類されています。

weak（弱い）～strong（強い）に属しているステロイド剤は副作用も起こしにくく安全性も高いのでドラッグストアなどで購入できる市販薬（OTC薬）としても販売されています。

しかし、モメタゾンフランカルボン酸エステルの炎症を抑える効果が強いので、その取り扱いに医師や薬剤師などの専門家の管理が必要であり、日本では医療用医薬品（医師の診察を経て処方されるお薬）としてのみ承認されています。

そのため、非常に強い抗炎症作用を持っており、皮膚症状のひどいときに用いるほか、苔癬化した湿疹など皮膚が厚くなっている部分に適しています。一般的に、顔など皮膚の薄いデリケートな患部には使用しないことが多いです。

ステロイド外用剤は、様々な皮膚の症状に対して効果を発揮する塗り薬です。これらは作用の強さによって5段階に分類され、それぞれ異なる症状に適しています。

• •ストロンゲスト:
  このランクのステロイドは炎症が非常にひどく、治りにくい手足の湿疹や皮膚炎などに使用されます。しかし、炎症の部位が狭い場合に限定されます。
• •ベリーストロング:
  慢性的な炎症が治らない時や、急性の炎症を迅速に阻止する必要がある時に選択されるランクです。
• •ストロング:
  皮膚が赤く炎症を起こし、かゆみが強い時や、皮膚がある程度ダメージを受けている時に適しています。
• •マイルド:
  炎症やかゆみがそれほど強くない時、またはデリケートな皮膚、乳幼児に使用する時に選ばれています。
• •ウィーク:
  最も弱いランクで、軽い症状に対して使用されます。

「ベリーストロング」と「ストロンゲスト」は医師の処方箋が必要な処方薬または個人輸入代行サイトを通して購入できます。市販の医薬品には「ウィーク」「マイルド」「ストロング」の3段階があります。

ステロイド外用剤は、体の部位によって吸収される度合が異なります。顔などは吸収されやすく、副作用が出やすい部分や、乳幼児、高齢者には、通常よりも1ランク弱いステロイドを使用することが勧められています。

トップコートクリームを使用するのは、皮膚症状がひどく、皮膚の痒みや赤み、腫れがあり、傷のある部位やジュクジュクした部位以外のところに使用したい方におすすめです。

それは、トップコートクリームがクリームタイプだからです。

クリームタイプなのでベタつきにくい

塗り薬には、軟膏やクリームなど様々な剤型のものがあります。

軟膏とクリームの違いは、クリームには水が含まれていて油ときれいに混ざっているということです。軟膏には油だけであり水が含まれていません。

トップコートクリームはクリームタイプの塗り薬であり、皮膚に塗ったときに伸びがよく、ベタつきにくいという特徴があります。これはクリームには水が含まれているからです。専門用語では「乳化」といい、水と油がきれいに混じって「乳」になっている状態を指します。乳はヒトなどの哺乳動物にとって体に吸収されやすい物質であり、クリームは軟膏よりも早く体内に吸収されて効果が得られるともいわれています。

水で簡単に洗い流せる

過剰に塗り過ぎてしまったり、誤った部位に塗ってしまっても、ベタつかないので簡単に洗い落とすことができます。一方、汗などでも流れやすいので注意が必要です。

クリームは刺激感があるので傷のある部位には不向き

軟膏タイプの塗り薬は刺激感がなく、カサカサした乾燥した患部や、ジュクジュクした患部にも用いることができます。しかし、トップコートクリームのようなクリームタイプの塗り薬は刺激があるため、傷のある部位やジュクジュクした部位には適していません。

通常、湿疹、皮膚炎や乾癬などの治療に用いられます。細菌・真菌などの感染による炎症には原則用いられません。また、治りが遅くなるおそれがあるので、皮膚潰瘍や重い火傷・凍傷にも用いられません。

具体的な適応疾患としては、湿疹・皮膚炎群（進行性指掌角皮症を含む）、乾癬、掌蹠膿疱症、紅皮症、薬疹・中毒疹、虫さされ、痒疹群（蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む）、多形滲出性紅斑、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、ジベル薔薇色粃糠疹、シャンバーグ病、肥厚性瘢痕・ケロイド、天疱瘡群、類天疱瘡、円形脱毛症です。

適応症状

トップコートクリームは、ステロイド外用薬として、さまざまな皮膚症状や皮膚疾患による症状の改善に効果があります。

• •アトピー性皮膚炎
• •アレルギー反応による皮膚症状
• •湿疹・皮膚炎群（進行性指掌角皮症を含む）
• •乾癬
• •掌蹠膿疱症
• •紅皮症
• •薬疹・中毒疹、虫さされ
• •痒疹群（蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む）
• •多形滲出性紅斑、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、ジベル薔薇色粃糠疹、シャンバーグ病
• •肥厚性瘢痕・ケロイド
• •天疱瘡群、類天疱瘡、円形脱毛症

通常、1日1回から数回に分けて、適量を患部に直接塗布します。効果を強く得るために、2倍や3倍の量を一度に使用しても効果は強くなりませんが、副作用のリスクは高まる恐れがあります。症状が改善したら過度な使用は控えてください。

推奨用量

用量は症状により適宜増減し、医師に相談してください。特にアトピー性皮膚炎などの炎症の場合、成人の場合は以下の単位での用量を目安にしてください。

• •顔・首: 2.5単位
• •胴体(胸・腹・背中): 7単位
• •片腕: 3単位
• •片手: 1単位
• •片脚: 6単位
• •片足: 2単位
• •全身: 40単位

1単位は成人の人差し指の先端から第1関節までの量です。

使用時の注意

• •使用するときは清潔な手で行い、使用後は手をきちんと洗ってください。
• •皮膚感染による皮膚炎や湿疹には使用しないよう注意してください。
• •外用薬となるため外用にのみ使用し、他の用途には使用しないでください。
• •目に入らないよう注意喚起がされています。眼瞼皮膚への使用に際して眼圧亢進、緑内障を起こすおそれがあります。
• •使い忘れた場合は、気が付いた時にすぐに使用します。ただし、次に使用する時間が近いときは、1回飛ばします。

トップコートクリームの有効成分はモメタゾンフランカルボン酸エステルです。

クリーム1g中にモメタゾンフランカルボン酸エステルを1mg配合しています。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは皮膚外用合成副腎皮質ホルモン製剤、いわゆるステロイド剤といわれるタイプに属するお薬です。

ステロイド剤には炎症を鎮める強い作用があります。短期間で皮膚炎を抑えることが可能で、腫れや赤みを速やかに解消し、痒みや痛みを治療します。

主な副作用として、皮膚刺激感、毛嚢炎（毛穴の化膿）、紅斑などが報告されています。

このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談する必要があります。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。

• •（まぶたに使用したときや、大量または長期にわたり広い範囲に使用したとき）頭痛、目のかすみ、目の痛み、まぶしい[眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談するよう注意喚起がされています。

トップコートクリームの使用に注意する人

併用禁忌

• •特に無し

併用注意

• •特に無し

重要な基本的注意

• •皮膚に軟膏やクリームを塗った後、ポリエチレンなどのラップフィルムで覆って密封する治療法である密封法（ODT法）を大量または長期にわたり広範囲で行うと、副腎皮質ホルモン剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれることがあります。そのため、特別な場合を除き、長期大量使用や密封法は極力避けるように推奨されています。
• •長期連用により、局所的副作用があらわれやすいので、症状改善後は速やかに他のより緩和な局所治療法に転換するように指示されています。
• •トップコートクリームの使用により症状の改善がみられない場合、または症状の悪化をみる場合は、使用を中止してください。
• •妊婦または妊娠している可能性のある女性は使用しないことが望ましいです。また、大量または長期にわたる広範囲の使用は避けることが推奨されています。動物実験でラットやウサギなどの実験動物で催奇形作用や、胎児への移行が報告されています。
• •小児に対しても、長期・大量使用または密封法は避けることが推奨されています。発育障害を来すおそれがあります。また、おむつは密封法と同様の作用があるので、注意喚起がされています。

禁忌（次の方は使用できません）

• •細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症および動物性皮膚疾患（疥癬、けじらみ等）［これらの疾患が増悪するおそれがあります。］
• •トップコートクリームに含まれている成分に対し過敏症の既往歴のある患者[再度使用すると過敏症を再発するおそれがあります。]
• •鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎［穿孔部位の治癒の遅延および感染のおそれがあります。］
• •潰瘍（ベーチェット病は除く）、第2度深在性以上の熱傷・凍傷［皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがあります。]

参考サイト

• •フルメタ軟膏／フルメタクリーム／フルメタローション｜PMDA
• •医療用医薬品 : モメタゾンフランカルボン酸エステル｜KEGG
• •MOMETASONE TOPICAL｜RxLixt
• •Mometasone,Topical｜NIH

保管方法

• •直射日光を避けて湿気の少ない涼しい場所に保管してください。
• •高温多湿の環境は避け、常温（15～25℃）で保管し、冷蔵庫での保管は必要ありません。
• •誤飲の恐れがあるため、乳幼児や小児の手の届かない安全な場所に保管してください。

取り扱い上の注意

• •容器は入れ替えず、元の容器に保管してください。容器の入れ替えは、薬の品質が変化する恐れがあります。
• •期限が切れたものは使用しないでください。使用期限が過ぎたお薬は、効果が出ない可能性があるだけでなく、副作用が強く出る恐れがあります。

Q：化粧したり、髭を剃った後の皮膚には使えますか？

肌が荒れたり、炎症を起こすおそれがあるため、化粧下、ひげそり後等に使用することが無いように注意喚起がされています。

Q：感染症のある皮膚には使えますか？

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則としていますが、やむを得ず使用する場合があります。使用する場合には、あらかじめ適切な抗菌剤（全身適用）、抗真菌剤による治療を行うか、またはこれらとの併用をすることが推奨されています。

Q：高齢者も使えますか？

高齢者の方は一般の方に比べて副作用があらわれやすいといわれていますが、基本的には問題なく使用することができます。ただし、必要もなく大量あるいは長期間にわたる広範囲に使用をすると副作用を起こしやすいです。

Q：効果や副作用が強く感じる場合、どうすれば良いですか？

効果や副作用が強く感じる場合は、必ずかかりつけ医に相談してください。ご自身の判断で使用を中断するのは避けてください。医師の指示に従い、必要に応じて治療の調整を行っていただくことが重要です。