ミノキシジルとフィナステリドの併用は効果があるのか|94.1%という数字と、6か月という線
目次

AGA治療でミノキシジルとフィナステリドを併用する意味を、学会のガイドラインと添付文書の記載から解説。効果を判定する時期や、量を増やすことについての公式な記載まで整理します。
毎日きちんと続けている。飲み忘れも、ほとんどない。それなのに、鏡の前でこう思う日があります。「これ、効いているのだろうか」。
そういうとき、頭に浮かぶのはたいてい2つです。ひとつは「量を増やしてみようか」。もうひとつは「もうやめようか」。
この記事は、そのどちらでもない、3つ目の道の話です。結論から言ってしまうと、足りないと感じたときの答えは、同じ薬を増やすことではありませんでした。薬の説明書(添付文書)に、その答えがはっきり書かれています。
先に、立場を言っておきます。私たちはAGAの薬を扱っている店です。ですから「あれもこれもそろえましょう」と書くこともできます。でも、この記事ではそれをしません。学会のガイドラインと、薬の添付文書に書いてあることだけを並べます。そこに書かれていないことは、書かれていないと正直にお伝えします。
スタッフこの記事で分かること
- •塗る薬と飲む薬の両方を使った人と、片方だけの人の差(94.1%という数字)
- •添付文書に書かれている「増量による効果の増強は、確認されていない」という一文の意味
- •飲むタイプのミノキシジルを使っている方に、いちばん足りていないもの
- •効果と副作用の実際の数字(効果は10倍近い差、副作用は何も飲まない人とほぼ同じ)
- •2つを同時に始めてはいけない理由
- •最初の1〜2か月に抜け毛が増えることがある話と、学会がそれを名指しで注意している理由
- •効果を判定する「6か月」という線。誰が、どうやって判定するのか
※本記事は2026年8月時点の一般的な情報提供です。診断・治療に代わるものではありません。効果や副作用の現れ方には個人差があります。気になる症状がある場合や、持病・服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
両方を使った人は、94.1%だった
まず、結論から書きます。塗るミノキシジルと飲むフィナステリドを、両方使うと、どうなるのか。
これを直接くらべた試験があります。2015年に発表された、450人を3つのグループに分けて12か月間追いかけた研究です(最終的に428人を評価)。3か月ごとに病院へ来てもらい、変化を確認しました。

| 使ったもの | 人数 | 改善した人の割合 |
|---|---|---|
| フィナステリド(飲む)だけ | 154人 | 80.5% |
| ミノキシジル5%(塗る)だけ | 122人 | 59% |
| 両方 | 152人 | 94.1% |
研究チームの結論は、はっきりしています。「併用がもっともよい効果を示した」。副作用が出た人はどちらも少なく(フィナステリドで1.8%、ミノキシジルで6.1%)、しかも薬をやめたあとに消えたと報告されています。
ここで、正直に付け加えておかなければならないことがあります。この試験は中国で行われたもので、日本人を対象にした「併用」の試験は、学会のガイドラインにも見あたりません。ですので「日本人でも同じ数字になる」とは書けません。ただ、方向としては、片方だけよりも両方のほうが良い結果だった。そう読むのが正確なところです。
この章のポイント
- •塗る薬だけの人は59%、飲む薬だけの人は80.5%、両方の人は94.1%だった
- •副作用は少なく、やめたあとに消えたと報告されている
- •ただし中国での試験。日本人での併用試験は見あたらない
出典:Hu R, et al. Dermatologic Therapy. 2015;28(5):303-308.
発毛をうながす薬と、抜ける力を止める薬
なぜ、両方だと数字が上がるのか。2つの薬は、体の中でまったく別の仕事をしているからです。

ミノキシジル=生やす側
ミノキシジルは、髪をつくる部分にはたらきかけて、発毛をうながす薬です。血管を広げる作用があり、もともとは血圧の薬として開発されました。日本皮膚科学会がまとめた資料では、塗るタイプのミノキシジルは推奨度A(行うよう強く勧める)と評価されています。
フィナステリド=抜ける力を止める側
いっぽうフィナステリドは、生やす薬ではありません。髪が抜けていく流れそのものを、もとから止めにいく薬です。
AGAでは、男性ホルモンのテストステロンが「5α(アルファ)リダクターゼ」という酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変わります。このDHTが髪の成長期を短くしてしまう。これがAGAの正体です。フィナステリドは、その変換をじゃまします。だからDHTが減り、髪が短命になる流れにブレーキがかかるのです。こちらも推奨度Aの評価です。
なぜ片方だけだと物足りないのか
- •ミノキシジルだけ=生やしてはいるが、抜ける力はそのまま働き続けている
- •フィナステリドだけ=抜ける力は止めたが、生やす後押しはしていない
- •だから両方そろうと、上の表のような差が出ると考えられています
AGA治療を5年以上続けている方が、こんな言い方をしていました。「守りを固めずに攻めだけ続けるのは、穴が開いたバケツに、一生けんめい水を入れるようなもの」。よくできた例えだと思います。水を注ぐ手(ミノキシジル)をどれだけ速くしても、穴(DHT)がふさがっていなければ、たまる量には限りがあるのです。
2つの薬の役割のちがいは、こちらの記事でさらにくわしく解説しています。
▶ AGA治療の常識!「攻めのミノキシジル」と「守りのフィナステリド」違いと最強の併用戦略を徹底解説
飲むミノキシジルだけを使っている方へ
ここからは、いちばんお伝えしたい話です。
ミノキシジルには、塗るタイプと飲むタイプ(いわゆるミノキシジルタブレット)があります。そして日本皮膚科学会の評価は、この2つでまったく逆になっています。
| 治療 | 学会の推奨度 |
|---|---|
| フィナステリド(飲む) | A:行うよう強く勧める |
| デュタステリド(飲む) | A:行うよう強く勧める |
| ミノキシジル(塗る) | A:行うよう強く勧める |
| ミノキシジル(飲む) | D:行うべきではない |
同じミノキシジルなのに、塗るとAで、飲むとD。理由は、飲むタイプが日本では発毛の薬として承認されていないこと、そして全身に成分がめぐるぶん、体への影響が塗るタイプとは別に考えなければならないことにあります。学会の資料には、個人輸入で手に入れて服用する人がいることについて、法律の観点から問題視されているという記述もあります。
この話は、飲むタイプを扱っている私たちにとって、書きにくいことです。それでも書きます。知らないまま使うより、知ったうえで選んでいただくほうが、ずっと良いと考えているからです。飲むタイプについては、以前にくわしくまとめた記事があります。
▶ 初めてのAGA・薄毛対策|ノキシジル(ミノキシジルタブレット)入門
それでも、この記事で言いたいのは「やめましょう」ではありません
ここが本題です。飲むタイプのミノキシジルを使っている方に、私たちがお伝えしたいのは、やめる・やめないの話ではありません。順番の話です。

前の章で書いたとおり、ミノキシジルは生やす側の薬です。塗っても飲んでも、そこは変わりません。つまりミノキシジルだけを使っているかぎり、DHTが髪の成長期を短くする流れは、止まらないまま働き続けているということになります。
さきほどのバケツの話でいえば、水を注ぐ手を強くしただけで、穴はまだ開いたままです。そして飲むタイプに切りかえることは、注ぐ手をさらに強くする方向であって、穴をふさぐ方向ではありません。
ふさぐ役をするのが、フィナステリドです。学会が推奨度Aとしている薬であり、先ほどの試験でもフィナステリドだけのグループが80.5%と、塗るミノキシジルだけのグループ(59%)を上回っていました。
確認していただきたいこと
- •いま使っているのは、生やす側だけになっていないか
- •抜ける流れを止める側(フィナステリドやデュタステリド)が、入っているか
- •もし入っていないなら、増やすより先に検討したいのは土台のほうです
※フィナステリドは男性のための薬です。女性、妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性、お子さまは服用できません。割れた錠剤に触れることも避けてください(添付文書に、粉砕・破損した錠剤を妊婦等が取り扱わないよう記載があります)。持病のある方、他に薬を飲んでいる方は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
男性用と女性用で薄毛の薬がどう違うのかは、こちらでまとめています。
▶ 【女性は絶対NG】男性用と女性用の薄毛治療薬の違いについて
量を増やしても、効果は強まらない
「効いている気がしないから、量を増やそうか」。冒頭で書いた、1つ目の考えです。
これについては、答えが公式な文書に書いてあります。日本で承認されているフィナステリドの薬(プロペシア錠)の添付文書、つまり国に届け出られている正式な説明書に、こう記されています。
確認されていない
これは、かなり踏みこんだ書き方です。増やしても効果が強まるとは確認できていないと、国に届け出る文書の中で明言されているのです。
実際の数字を見てみます
日本人の男性414人を対象に、48週間かけて行われた試験があります。フィナステリドを1mg飲むグループ、0.2mg飲むグループ、そして薬の入っていない偽薬(プラセボ)を飲むグループの3つに分けたものです。
| グループ | 改善した人 | 副作用が出た人(全体) |
|---|---|---|
| 1mg | 58.3%(132人中77人) | 6.5%(139人中9人) |
| 0.2mg | 54.2%(131人中71人) | 1.5%(137人中2人) |
| 偽薬 | 5.9%(135人中8人) | 2.2%(138人中3人) |
効果の差は、58.3%と54.2%で4ポイントほど。いっぽう副作用が出た人の割合は、1.5%と6.5%です。人数でいうと2人と9人ですから、もともと少ない中での差ではあります。それでも「増やせば増やすほど良い」という形にはなっていません。
ちなみに日本の添付文書では、通常は0.2mgを1日1回、必要に応じて増やす場合も1日1mgが上限と定められています。「1mgが標準」と思われがちですが、公式な決まりの上ではそうではないのです。
ここで大事なこと
- •足りないと感じたときの答えは、同じ薬を増やすこと(縦に伸ばす)ではない
- •添付文書が「増量による効果の増強は、確認されていない」と書いている以上、別の役割の薬を横に足すほうが理にかなっています
- •それが、この記事の最初に出てきた94.1%の話につながります
※錠剤を割ったり砕いたりすることは添付文書で禁じられています。量を調整する目的で分割しないでください。用量について迷う場合は、自己判断ではなく医師にご相談ください。
効くのか。副作用は大丈夫か
続けるかどうかを決めるとき、頭にあるのはたいてい、この2つだと思います。本当に効くのか。そして副作用は大丈夫なのか。
実はこの2つの答えは、同じひとつの試験の中に両方そろっています。さきほどの、日本人414人の試験です。

効果:偽薬との差は、およそ10倍
48週後に改善が見られた人の割合は、1mgのグループで58.3%。いっぽう薬の入っていない偽薬のグループは5.9%でした。約10倍の開きです。
この「偽薬と比べる」という点が大切です。人は、何かを始めると気持ちの面でも変化を感じます。だから偽薬のグループを置いて、その分を差し引く。それでもこれだけの差が残った、ということです。
副作用:性機能に関するものは、偽薬とほとんど変わらない
AGAの薬でいちばん心配されるのが、性機能に関する副作用だと思います。同じ試験の数字は、こうでした。
| グループ | 性機能に関する副作用が出た人 |
|---|---|
| 1mg | 2.9%(139人中4人) |
| 0.2mg | 1.5%(137人中2人) |
| 偽薬 | 2.2%(138人中3人) |
薬を飲んでいないグループが2.2%、1mgのグループが2.9%。ほとんど変わらない数字です。内訳としては、性欲の減退が1.1%、勃起機能不全が0.7%と報告されています。
ただし、ここも正直に書いておきます。添付文書には、発売後に「服用をやめたあとも症状が続いた」という報告があったことも記載されています。頻度は明らかにされていません。まれではあっても、そういう報告があること自体は、お伝えしておくべきだと考えています。
そして感じ方には個人差があります。数字が小さいことと、自分がその中に入らないことは別の話です。体調の変化に気づいたときは、続けるか迷う前に医師や薬剤師にご相談ください。
副作用については、肝臓への影響やうつの噂も含めて、こちらでくわしくまとめています。
▶ AGA治療薬の副作用を解説|肝臓への影響・うつの噂は本当?
ただし、同時に始めないほうがいい
ここまで読んで「では、両方まとめて始めよう」と思われたかもしれません。そこだけ、少し待ってください。
泌尿器科の伊勢呂哲也医師が、AGA治療についてこんな指摘をしています。「基本、薬は1個ずつ増やす。変化を少なくするのが基本」。
理由はシンプルです。2つ同時に始めると、どちらが効いたのか分からなくなります。
同時に始めると、こうなります
- •良い変化があっても、どちらのおかげか分からない。片方をやめる判断ができなくなる
- •体に合わないことが起きても、どちらが原因か分からない。両方やめることになりやすい
- •費用も一度に上がるため、続けにくくなる
同じ医師は、クリニックが高額な施術とAGAの薬を同時に始めさせる例についても触れています。実際に髪が変わったのは薬のおかげかもしれないのに、高額な施術の成果に見えてしまう。逆に、薬をやめると同時に別の治療を始めると、やめた反動で起きた変化を、新しい治療のせいだと感じてしまうこともあります。
ですから、おすすめの順番はこうなります。
足していく順番
- 1まず土台(フィナステリドなど、抜ける流れを止める側)を1つだけ始める
- 26か月続けて、変化を確認する
- 3そのうえで、生やす側(ミノキシジル)を足すかどうかを決める
すでに生やす側だけを使っている方は、この順番が逆になっているだけです。いま足すべきは土台のほう、ということになります。
最初の1〜2か月、抜け毛が増えることがある
ここは、この記事でいちばん大事な章かもしれません。

治療を始めてしばらくすると、抜け毛が一時的に増えたように感じることがあります。日本皮膚科学会の診療ガイドラインは、ミノキシジルを塗り始めた時期について、こう書いています。
ガイドラインの記載(原文)
- •「男女ともにミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり、これが外用中止につながる恐れがあるため、患者への説明が必要である」
日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」CQ3解説より
この文章の後半に注目してください。「これが外用中止につながる恐れがあるため、患者への説明が必要である」。
つまり学会は、この時期の抜け毛が原因で、患者さんが治療をやめてしまうことがあると分かっている。だからこそ「説明が必要だ」と、わざわざ書いているのです。
病院に通っている方には、医師がこの説明をしてくれます。けれど、ご自身で薬を用意して使っている場合、説明してくれる人がいません。抜け毛が増えたその日に、ひとりで判断することになります。この記事が、その説明の代わりになればと思っています。
スタッフ2つだけ、正確に書いておきます。ひとつめ。ガイドラインにこの記載があるのは「塗るミノキシジル」の項目です。フィナステリドについて同じ記載は、ガイドラインにも添付文書にも見あたりません。ふたつめ。なぜ起きるのかという仕組みについても、これらの公式な資料には書かれていません。よく「好転反応」と説明されますが、それは公式な資料の言葉ではない、ということです。
実際、AGA治療をやめた人へのアンケートでは、中断理由の上位2つが「期待していたほどの効果を得られなかった」と「治療費の負担が大きかった」で、それぞれ25.0%ずつでした。効果がなかったのではなく、効果が出るまで続けられなかったという面が大きいのです。
▶ AGA治療で後悔したくない人へ。アンケートから学ぶ、治療中断の2大理由と成功の鍵
「6か月」という線
では、いつ判断すればいいのか。ここにも、はっきりした答えがあります。しかも2つの公式な文書が、同じことを書いています。
2つの資料が書いている「6か月」
- •添付文書:「3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である」
- •学会の資料:「少なくとも6カ月程度は内服を継続し効果を確認すべきである」
プロペシア錠 添付文書/日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版 CQ1解説
逆に、添付文書にはやめどきについての記載もあります。「本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること」。
つまり6か月は、待つ側の線であると同時に、見切りをつける側の線でもあるということです。3か月で判断するのは早すぎる。けれど、何年も漫然と続けるものでもない。そういう線引きです。

では、誰が判定するのか
病院に通っていれば、医師が写真を撮って比べてくれます。ご自身で続けている場合は、その役目もご自身でやることになります。とはいえ、難しいことは必要ありません。

6か月後に比べるための、いまできる準備
- •今日の写真を撮る。頭のてっぺんと、生え際の2枚
- •場所と明るさを決める。毎回、同じ部屋・同じ照明で。自然光は日によって変わるので、室内灯のほうが向いています
- •髪の状態をそろえる。乾いた状態か、濡れた状態か。どちらでもよいので、毎回同じにする
- •月に1回でじゅうぶん。毎日鏡で見ても、変化は分かりません。髪は1か月に1cmほどしか伸びないためです
鏡で見た印象は、その日の光や体調に左右されます。写真だけが、6か月前の自分と正確に比べられる方法です。
続けた人の数字
学会の資料には、続けた場合の数字も載っています。さきほどの日本人の試験で1mgを飲み続けた人たちを追いかけたところ、改善が見られた人の割合は2年で68%、3年で78%と、少しずつ増えていきました。別の日本人801人を5年間追いかけた研究では、99.4%で改善または維持が確認されたと報告されています。
「維持」も含まれている点は、正確にお伝えしておきます。増えた人ばかりではありません。ただ、AGAは進んでいく性質のものですから、維持できているという状態自体に意味があるということでもあります。
続けられる形で組む
ここまで「6か月」「2年」「3年」という言葉が何度も出てきました。お気づきのとおり、この治療は、続けることが前提になっています。
公式な文書も、そこをはっきり書いています。
やめるとどうなるか
- •添付文書:「効果を持続させるためには継続的に服用すること」
- •学会の資料:「なお、内服を中止すると効果は消失する」
脅かすつもりはありません。AGAが、進んでいく性質のものだからです。薬は、その進み方にブレーキをかけています。ブレーキを外せば、また進みはじめる。それだけの話です。
だとすると、選ぶときの基準がひとつ決まります。「いま効きそうか」ではなく、「この形を何年か続けられるか」です。ひと月だけ手厚くそろえて半年でやめるより、地味でも続く形のほうが、結果的に前へ進みます。
実際、治療をやめた方へのアンケートで、中断理由の同率1位が費用の負担でした。効果と費用は、別々の問題に見えて、つながっています。費用の考え方については、こちらでくわしく比べています。
▶ AGA治療費はなぜ違う?クリニックと個人輸入の価格差の理由&失敗しない選び方
▶ AGA治療費8倍も損してた!クリニック処方と「お薬市場」の価格差を徹底比較
※このセットに含まれるミノキシジルは飲むタイプです。前に書いたとおり、飲むタイプのミノキシジルは日本では発毛の薬として承認されておらず、学会の評価は推奨度Dです。すでに両方を使っている方の受け皿としてご紹介するもので、これから始める方に最初の一歩としておすすめするものではありません。始めるなら、まず土台から1つずつ。持病のある方、血圧の薬を飲んでいる方は特に、医師にご相談ください。
塗るタイプという選択肢
ここまで飲むタイプの話が続きましたが、学会が推奨度Aとしているミノキシジルは、塗るタイプのほうです。冒頭の94.1%の試験で使われていたのも、塗るタイプでした。

濃度は、高ければ高いほどよいわけではない
塗るタイプには、濃度の違う製品があります。日本人の男性300人を24週間追いかけた試験では、こういう結果でした。
| 濃度 | 薄くなった部分1cm²あたりの毛の増加 |
|---|---|
| 1% | 平均21.2本 |
| 5% | 平均26.4本 |
5%のほうが上でした。では、もっと高ければもっと良いのか。学会の資料には5%が2%や10%の製剤よりも優れているという記述があります。つまり10%にすれば5%より良くなる、という関係にはなっていません。
副作用の面では、濃度が上がると皮膚の症状が出やすくなる傾向があります。男性393人の試験では、かゆみやかぶれなどの皮膚症状が出た人は5%で6%、2%で2%、何も入っていない液で3%でした。実際、高い濃度を試して頭皮が赤くなり、5%に戻したという体験談もよく聞きます。
なお学会が勧めている濃度は、男性が5%、女性が1%です。同じ製品を家族で共用するようなものではありません。
※塗るタイプは頭皮に発疹・かゆみ・かぶれなどが出ることがあります。異常を感じたら使用を中止し、医師や薬剤師にご相談ください。効果の現れ方には個人差があります。
塗るタイプの使い方や選び方は、こちらでくわしくまとめています。
▶ 初めてのAGA・薄毛対策 ミノキシジル外用薬入門|頭皮に塗るタイプの「発毛剤」
よくある質問
3か月続けていますが、変化がありません。やめたほうがいいでしょうか。
添付文書には「3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である」と書かれています。学会の資料も「少なくとも6カ月程度は継続し効果を確認すべき」としています。3か月は、まだ判定する時期ではありません。判断は6か月まで待ち、そのときに写真で比べてみてください。
塗るミノキシジルと飲むミノキシジル、両方を使ってもいいですか。
それは「同じ役割の薬を2つ重ねる」ことになります。この記事で書いてきたのは、役割の違う薬を組み合わせる話です。もし生やす側だけを重ねているなら、先に検討したいのは抜ける流れを止める側のほうです。なお、飲むタイプのミノキシジルは学会の評価では推奨度Dです。使用については医師にご相談ください。
飲み忘れた日は、次の日にまとめて飲んでもいいですか。
まとめて飲むことはしないでください。この薬は毎日一定の量を続けることで成り立っています。飲み忘れに気づいたら、その日は1回分だけにして、翌日からいつもどおりに戻してください。どうしても不安な場合は、薬剤師にご確認ください。
妻も薄毛が気になっています。同じものを使えますか。
フィナステリドは使えません。学会の資料では女性型脱毛症に対して推奨度Dとされており、添付文書でも女性への適応はないとされています。妊娠している可能性のある女性は、割れた錠剤に触れることも避けてください。塗るミノキシジルについては、学会が勧めている濃度が男性5%・女性1%と異なります。男性用と女性用の薄毛治療薬の違いもあわせてご覧ください。
いつまで続ければいいのでしょうか。
添付文書は「効果を持続させるためには継続的に服用すること」、ガイドラインは「内服を中止すると効果は消失する」と記しています。AGAは進んでいく性質のものなので、やめれば、また進みはじめるという考え方になります。ですから、豪華な組み合わせを短期間続けるより、無理のない形を長く保つほうが向いています。
健康診断や人間ドックの前に、伝えておくことはありますか。
はい、ひとつあります。フィナステリドを飲んでいると、前立腺の検査で使われるPSAという数値が下がります。国内の24歳から50歳の患者さんで約40%下がったという記載が添付文書にあり、「測定する場合は2倍した値を目安として評価すること」とされています。検査を受けるときは、この薬を飲んでいることを必ず医師に伝えてください。伝えないと、数値が低く出たことで見落としにつながる可能性があります。
おわりに
この記事で見てきた数字を、もう一度並べておきます。
覚えて帰っていただきたいこと
- •両方を使った人は94.1%、片方だけの人は59%と80.5%だった(中国での試験)
- •添付文書は「増量による効果の増強は、確認されていない」と書いている。増やすより、足す
- •ただし同時にではなく、1つずつ。どちらが効いたか分かるように
- •最初の時期に抜け毛が増えることがあり、学会はそれで治療をやめてしまう人がいることを注意している
- •判定は6か月。鏡ではなく、写真で
ひとつだけ、付け加えさせてください。この記事に出てきた数字は、すべて集団の平均です。58.3%という数字は、58.3%の確率であなたに起きるという意味ではありません。効き方も、副作用の出方も、人によって違います。
だからこそ、自分の6か月前の写真だけが、自分にとっての本当のデータになります。今日の1枚が、半年後のあなたの判断材料です。
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出典・参考資料
- •日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」日皮会誌127(13):2763-2777 https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/AGA_GL2017.pdf
- •プロペシア錠0.2mg・1mg 添付文書(医療用医薬品情報) https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051088
- •Hu R, Xu F, Sheng Y, et al. Combined treatment with oral finasteride and topical minoxidil in male androgenetic alopecia: a randomized and comparative study in Chinese patients. Dermatologic Therapy. 2015;28(5):303-308. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26031764/






