ED改善・早漏防止効果があるED治療薬って本当に両方効果があるの?
目次

本記事では、ED・早漏の定義、ED治療薬・早漏防止薬の種類、効果に関する科学的根拠、使用する際の注意点を解説します。
またお薬市場で扱っている関連商品をご紹介します。これを読めば、ED改善・早漏防止効果があるED治療薬について理解できます。ED・早漏の治療をする際に役立ててみてください。
ED(勃起不全)とは
EDとは満足な性行為を行うに足る十分な勃起もしくは維持ができない状態です。勃起力が衰える、中折れするなどの症状がみられます。日本では約1,130万人のED患者がいると推定されています。
EDは身体に問題のない機能性のものと、問題のある器質性のものに分類されます。機能性は、さらに心因性と精神病性に分類されます。器質性は、血管性・内分泌性・陰茎性に分類されます。(注1
早漏とは
早漏とは、男性またはパートナーが望むよりも早く射精してしまい、カップルに苦痛が生じている状態です。大半の原因は、性的経験の不足、不安など心理的なものです。(注2
ED治療薬・早漏防止薬の種類
現在世界各地で使われている薬を示します。
- •ED治療薬:シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィル・アバナフィル
- •早漏防止薬:ダボキセチン

ED治療薬と早漏防止薬の効果に関する科学的根拠
ED治療薬と早漏防止薬の作用機序および有効性について解説します。
〈1. ED治療薬の作用機序〉
勃起する時には、心理的刺激・触覚刺激により、脳や仙髄から神経を介して陰茎に伝達物質が送られます。伝達物質の指令に従い、陰茎海綿体の内皮細胞から一酸化窒素が放出され、細胞内皮細胞内にcGMP(環状グアノシン一リン酸)が増え、動脈が拡張されて陰茎海綿体に血液が流れ込みます。
陰茎海綿体が血液で充満されると、周囲の細静脈が圧迫されて静脈血の流出量が減り、海綿体内圧が上昇することで陰茎が勃起します。そして勃起を解除するためにcGMPを壊すPDE5という酵素が存在します。(注2
ED治療薬の主成分は、陰茎海綿体のcGMP分解酵素であるPDE5の活性を選択的に阻害し、cGMPを増やすことで勃起を促します。(注5(注6(注7(注8
〈2.ED治療薬の有効性〉
ED治療薬であるシルデナフィル、バルデナフィルを用いた日本国内における臨床試験の結果を示します。
①シルデナフィルを用いた臨床試験
プラセボ投与群60名、シルデナフィル投与群60名を対象
国際勃起機能スコア質問票が利用され、以下の2つの質問に対する回答が評価されました。
「ここ4週間、性交を試みた時、何回挿入することができましたか?」
「ここ4週間、性交中、挿入後何回勃起を維持することができましたか?」
回答は以下のようにスコア化されています。
| 回答 | スコア |
| 性交の試みは一度もなし | 0 |
| 毎回またはほぼ毎回(10回中9回以上) | 5 |
| おおかた毎回(10回中7回程度) | 4 |
| 時々(10回中5回) | 3 |
| たまに(10回中3回程度) | 2 |
| 全くまたはほんとどなし(10回中1回以下) | 1 |
投与後の平均スコアは以下のとおりです。
| プラセボ群 | シルデナフィル25mg投与群 | シルデナフィル50mg投与群 | |
| 挿入の頻度 | 2.17 | 3.52 | 3.83 |
| 勃起の維持 | 1.72 | 2.97 | 3.53 |
シルデナフィルを投与しなかった群では、挿入の頻度、勃起の維持は10回中2~3回程度でしたが、シルデナフィルを投与した群では、挿入の頻度、勃起の維持は10回中5~6回と改善しています。(注4 17.臨床成績
②バルデナフィルを用いた臨床試験
シルデナフィルと同じく、国際勃起機能スコア質問票と回答スコアが用いられています。
| プラセボ | バルデナフィル5mg | バルデナフィル10mg | |
| 挿入の頻度 | N=71 | N=67 | N=75 |
| 投与前 投与後 | 2.6 3.2±0.1 | 2.9 4.1±0.1 | 2.8 4.5±0.1 |
| 勃起の維持 | N=71 | N=67 | N=75 |
| 投与前 投与後 | 1.5 2.3±0.2 | 1.6 3.5±0.2 | 1.5 4.2±0.2 |
N:対象者数
バルデナフィルの投与により挿入の頻度、勃起の維持回数が有意に改善しています。(注5
17.臨床成績
プラセボ群でも多少の改善がみられますが、全く薬の効果を持たない薬(プラセボ)を飲んでも効果が出てしまう「プラセボ効果」によるものです。
〈3. 早漏防止薬の作用機序〉
射精が起こる際には、陰茎刺激などの性的興奮が中脳・延髄を経て胸腰髄の射精中枢へ伝えられます。その後、交感神経を介して指令が送られ、精巣上体・精管・前立腺などにあるαアドレナリン受容体を刺激します。その結果、精巣上体・精管・前立腺が収縮し、精液が後部尿道へ送られます。さらに骨盤底筋が収縮し、蓄積された精液が射出されます。(注3
これら一連の流れは、大内臓神経―副腎髄質系のカテコラミンによって促進されます。カテコラミンは快感をもたらすホルモンですが、それに対して気持ちを安定させるホルモンのセロトニンがあります。
早漏治療薬の主成分は、脳内のセロトニン濃度を高めて過剰な性的興奮を抑え、αアドレナリン受容体を阻害し、射精時間を延長させると考えられています。(注2
〈4. 早漏防止薬の有効性〉
クリス・G・マクマホンの論文「早漏治療におけるダポキセチンの有効性」(注4 をご紹介します。
18歳以上の男性6,081人を対象とし、ダポキセチン30mgおよび60mgを用いた5件の無作為二重盲検試験で評価されました。
試験開始12週目における、ストップウォッチを用いて測定した膣内射精潜時時間(IELT)の平均値は以下のとおりです。
- •プラセボ群:1.9分
- •ダボキセチン30㎎投与群:3.1分
- •ダボキセチン60㎎投与群:3.6分
また射精のコントロールが良好と報告した人の割合を示します。
- •プラセボ群:11.2%
- •ダボキセチン30㎎投与群:26.2%
- •ダボキセチン60㎎投与群:30.2%
どちらの結果もダボキセチン30mgおよび60mg投与群で有意に改善されています。
使用する際の注意点
ED治療薬・早漏防止薬は医薬品であり、副作用を伴います。この世に副作用がない医薬品は存在しません。しかし副作用がみられる頻度は低く、健康体の方はあまり心配しなくても大丈夫です。もし問題となる副作用がみられた場合は、ただちに使用を中止してください。
ただし持病がある方は、副作用がみられるリスクが高くなります。とりわけED治療薬・早漏防止薬が禁忌の方が服用すると命に関わることがあるため、注意が必要です。また他の薬と飲み合わせが悪いと、副作用がでることもあります。
次章でご紹介するリンクページに記載された副作用・禁忌・他の薬との相互作用・注意事項をよく読んでから使用することが重要です。とはいえ、専門的な内容のため、判断が難しいかもしれません。持病があって治療中の方は、主治医に相談してから使用してください。
商品紹介
お薬市場で取り扱っている関連商品の主成分、効果、特徴を示します。
| 商品名 | 主成分 | 効果 | 特徴 |
| スーパーカマグラ | シルデナフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | シルデナフィルはバイアグラのジェネリック 空腹時の服用が望ましい |
| スーパーPフォースゼリー | シルデナフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | ゼリータイプ |
| サビトラマックス | バルデナフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | 即効性がある 食事の影響を受けにくい |
| スーパータダライズ | タダラフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | 長時間作用 食事の影響を受けにくい |
| エクストラスーパータダライズ | タダラフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | 長時間作用 食事の影響を受けにくい |
| スーパーアバナ | アバナフィル ダボキセチン | ED改善 早漏防止 | 即効性がある 作用時間は短め 食事の影響を受けにくい |
シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルは厚生労働省で承認されており、医療機関で処方できます。
アバナフィル・ダボキセチンは厚生労働省では承認されておらず、個人輸入でのみ手に入れられます。
詳しくは各商品のリンクページをご覧ください。
まとめ
ED治療薬にはシルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィル・アバナフィル、早漏防止薬にはダボキセチンがあります。
本記事では両方の薬を含んだ治療薬をご紹介しました。即効性・作用時間・食事の影響を比べながら、好みの薬を選ぶとよいでしょう。また副作用・禁忌・他の薬との相互作用・注意事項をよく読んでから使用することが重要です。

