寝だめは年間13.6万円の損失?「ソーシャルジェットラグ」って知ってる?
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「休日にたっぷり寝たはずなのに、月曜の朝が一番つらい…」 「日中、理由もなく眠くて仕事に集中できない…」
そんな経験はありませんか?多くの人がやりがちな週末の「寝だめ」。実はその習慣が、心と身体の不調を引き起こす「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」の原因かもしれません。
最近、世界中で人気の睡眠ゲームアプリ『Pokémon Sleep』と筑波大学の共同調査で、このソーシャルジェットラグが仕事の生産性を大きく下げ、年間で約13.6万円もの経済的損失に繋がる可能性がある、という衝撃的なデータが発表されました。
引用:『Pokémon Sleep』×『筑波大学』共同大規模調査 第三弾 不規則な睡眠と労働生産性の低下の関係が明らかに! 年間の経済損失推定値は約1兆円にのぼる可能性も。
この記事では、あなたの不調の原因かもしれない「ソーシャルジェットラグ」の正体と、ご自身の睡眠状態を手軽にチェックする方法、そして今日からすぐに実践できる具体的な睡眠改善策を徹底解説します。
【この記事はこんな方におすすめ】
- •週末に寝だめをしても、かえって疲れを感じる方
- •月曜日の午前中、特に頭が働かないと感じる方
- •日中の強い眠気や集中力の低下に悩んでいるビジネスパーソン
- •『Pokémon Sleep』のニュースを見て、自分の睡眠の質が気になった方
- •すっきりした目覚めを手に入れたい全ての方
【この記事を読めばわかること】
- •慢性的な疲れの原因「ソーシャルジェットラグ」の正体とリスク
- •自分の睡眠の問題点がわかるセルフチェックリスト
- •今日からできる睡眠の「リズム・量・質」を改善する具体的な方法
【重要】はじめにお読みください
この記事は、睡眠に関する情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。睡眠に関する悩みで日常生活に深刻な支障が出ている場合や、症状が長く続く場合は、ご自身で判断せず、必ず専門の医療機関(睡眠外来など)を受診してください。
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あなたの疲れの原因?「ソーシャルジェットラグ」とは
ソーシャルジェットラグとは、仕事や学校がある平日と、時間的に自由な休日の間で、睡眠パターン(特に起床・就寝時刻)が大きくずれてしまうことを指します。
例えば、「平日は6時起きだけど、休日は昼まで寝ている」という生活。これがまさにソーシャルジェットラグの状態です。
この生活リズムの乱れは、まるで毎週海外旅行に行って時差ボケになっているようなもの。私たちの身体に内蔵されている「体内時計」が混乱し、以下のような様々な不調を引き起こす原因となります。
- •日中の強い眠気
- •集中力・判断力の低下
- •だるさ、倦怠感
- •気分の落ち込み
筑波大学の研究では、このソーシャルジェットラグが仕事のパフォーマンスを著しく低下させることが示されました。これは単なる「気分の問題」ではなく、見過ごせない健康リスクであり、経済的な損失にも繋がりかねない問題なのです。
まずは現状把握!ソーシャルジェットラグ・セルフチェックリスト
自分は大丈夫かな?と気になった方は、以下のリストでご自身の状態をチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど、ソーシャルジェットラグの可能性が高まります。
- •□ 平日の起床時間と、休日の起床時間に2時間以上の差がある
- •□ 月曜日の午前中は、特に頭が働かない、気分が重いと感じる
- •□ 平日の夜はなかなか寝付けないことが多い
- •□ 休日に長時間寝ても、スッキリした感じがしない
- •□ アラームがないと、いつまでも寝てしまう
- •□ 日中、特に昼食後に強い眠気に襲われて仕事が手につかないことがある
いかがでしたか?もし複数当てはまるようであれば、次の改善策をぜひ試してみてください。
睡眠を改善する3つのアプローチ|リズム・量・質を整えよう
睡眠の悩みを解決するには、「リズム」「量」「質」という3つの側面からアプローチすることが非常に効果的です。
アプローチ①:体内時計をリセット!睡眠「リズム」を整える5つの黄金律
ソーシャルジェットラグの根本原因である「体内時計の乱れ」を整えるための、最も重要な習慣です。

1. 休日の寝坊は「2時間以内」に!
週末に寝だめをしたい気持ちはわかりますが、平日との起床時間の差は最大でも2時間以内に留めましょう。体内時計のズレを最小限に抑えることが、週明けのパフォーマンスを保つ秘訣です。
2. 朝の太陽が最高の目覚まし
朝起きたら、まずカーテンを開けて15分ほど太陽の光を浴びましょう。太陽光は、乱れた体内時計をリセットする最も強力なスイッチです。曇りや雨の日でも、屋外の光で十分効果があります。
3. 夜の光は睡眠の敵
強い光、特にスマートフォンやPCから発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。就寝の1〜2時間前からは、なるべくデジタル機器の使用を控え、部屋の照明を暖色系の暗めのものに切り替えましょう。
4. 食事の時間もリズムの一部
体内時計は、食事の時間にも影響を受けます。なるべく毎日決まった時間に3食とることで、身体の中からリズムを整えることができます。特に朝食をしっかり摂ることは、一日の活動リズムを作る上で非常に重要です。
5. 睡眠を「見える化」する
『Pokémon Sleep』のような睡眠計測アプリやスマートウォッチなどを活用して、自分の睡眠時間やパターンを記録してみましょう。客観的なデータを見ることで、自身の睡眠の癖や問題点に気づきやすくなります。

アプローチ②:自分に合った睡眠「量」を見つける
必要な睡眠時間には個人差があり、「8時間睡眠が絶対」というわけではありません。日中に眠気で困ることがなく、スッキリ活動できる時間が、あなたにとっての最適な睡眠時間です。まずは7時間を目安に、自身の体調を観察しながら調整してみましょう。
アプローチ③:ぐっすり眠るための睡眠の「質」を高める習慣
同じ時間眠るなら、より深く、質の高い睡眠をとりたいもの。以下の習慣がおすすめです。
- •就寝90分前の入浴: 38〜40℃程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かると、体の深部体温が一旦上がり、その後に下がっていく過程で自然な眠気が訪れます。
- •リラックスタイムを作る: 就寝前は、軽いストレッチをしたり、ヒーリングミュージックを聴いたり、カフェインの入っていないハーブティー(カモミールなど)を飲んだりして、心と身体をリラックスモードに切り替えましょう。
- •快適な寝室環境: 寝室は「静かで、暗く、涼しい」状態が理想です。温度は26℃前後、湿度は50〜60%を目安に、遮光カーテンを利用して光を遮断するなど、環境を整えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 昼寝はしてもいいですか?効果的な方法を教えてください。 A. はい、効果的な昼寝は午後のパフォーマンス向上に繋がります。ポイントは、午後3時までに、15〜20分程度の短い時間にすることです。これ以上長く眠ると、夜の睡眠に悪影響が出る可能性があるので注意しましょう。
Q. 運動は睡眠に良いと聞きますが、いつやるのが効果的ですか? A. ウォーキングやジョギングなどの適度な有酸素運動は、寝つきを良くし、深い睡眠を増やす効果が期待できます。タイミングとしては、夕方から就寝の3時間前までに行うのがおすすめです。就寝直前の激しい運動は、逆に体を興奮させてしまうので避けましょう。
Q. アプリで睡眠の質が「悪い」と出ると、気になってしまいます… A. 睡眠計測アプリはあくまで目安です。スコアに一喜一憂しすぎると、かえって「眠らなければ」というプレッシャーになりかねません。大切なのは、**「日中の自分が元気に活動できているか」**という主観的な感覚です。アプリは生活習慣を振り返るためのツールとして、上手に活用しましょう。
まとめ:快適な毎日を取り戻すために
今回は、多くの人が悩む「なんとなくの不調」の原因であるソーシャルジェットラグと、その具体的な改善策について解説しました。
- •平日と休日の起床時間の差は2時間以内に
- •朝は太陽を浴び、夜はブルーライトを避ける
- •自分に合った睡眠の「量」と「質」を見つける
これらのポイントを意識するだけで、睡眠の質は大きく変わる可能性があります。まずは一つでも、できそうなことから試してみてください。睡眠が変われば、日中のパフォーマンスが向上し、毎日がより充実したものになるはずです。

もし、これらの方法を試しても眠りの問題が改善しない、あるいは日中の眠気が原因で生活に支障が出ている場合は、一人で抱え込まずに、ぜひ一度、お近くの専門医療機関(睡眠外来や心療内科など)に相談してみてください。






