カーネステンクリーム

• •カーネステンクリームはカンジダ症や癜風への有効率92.4%以上、白癬（水虫など）にも非常に高い効果がある抗真菌薬です。
• •有効成分クロトリマゾールは副作用のリスクが1.9%ととても低い成分なので安心して利用できます。
• •カーネステンクリームは世界で最初のイミダゾール系外用抗真菌薬で日本ではエンペシドクリームで知られています。

商品概要

商品名	カーネステンクリーム（Canestencream）
内容量	1本/30g
効果・効能	足白癬（水虫）、カンジダ症、癜風
用法・用量	1日2～3回、指の先から第一関節まで（約0.5g）
有効成分	クロトリマゾール
形状・剤形	軟膏・クリーム
副作用	刺激感、皮膚炎、発赤（皮膚が赤くなること）、紅斑（皮膚表面にできる赤色の斑）、びらん（ただれ）、丘疹（皮膚の隆起、発疹の一つ）
メーカー	Bayer
発送国	香港など

カーネステンクリームは、皮膚糸状菌や酵母類及び癜風菌に優れた抗真菌作用を有する塗り薬です。白癬菌やカンジダによる感染症の治療のために使用することができ、92.4%と高い有効率があります。

カーネステンクリームは日本だけでなく、イギリス、ドイツを含む世界60ヵ国以上の国や地域で承認・販売されています。世界で最初のイミダゾール系抗真菌剤として承認されており、日本では1975年に製造販売承認を得て、1976年1月に販売されている信頼性の高い薬です。

カーネステンクリームを患部に1日2～3回塗ることで、皮膚の真菌感染症状を改善し、皮膚をきれいに治すことができます。主に足白癬（水虫）のほか、体部白癬（ゼニタムシ）、股部白癬（インキンタムシ）、カンジダ症、癜風の治療に使用することができます。

副作用のリスクが少なく、98.1%と高い安全性がある

カーネステンクリームは、長期間の使用が必要とされるものの、その安全性は非常に高いことが示されています。具体的には、対象症例6849例中、わずか131例で副作用が報告されており、これは副作用発現率が1.9%しかないことを意味しています。これにより、カーネステンクリームの安全性は98.1%との結果が出ています。

副作用に関しては、報告された131例（1.91％）の中で主な症状は以下の3つであり、それぞれの発現率も低いことが確認されています。

• •刺激感: 55件（0.80％）
• •皮膚炎: 35件（0.51％）
• •発赤・紅斑: 33件（0.48％）

カーネステンクリームが比較的副作用を起こしにくく、高い安全性を持つ治療薬であると言えます。しかし、症状が改善されたと感じても、指定された期間は治療を続け、特に症状がなくなってからも1〜2週間は長めに継続して使用することが推奨されています。これにより、皮膚の奥深くに潜んでいる真菌を完全に排除し、再発のリスクを低減することが可能となります。

カーネステンクリームを使用する際に、自分が適しているかをお伝えしますので、参考にしてみてください。

水虫やインキンタムシのような白癬菌による感染症がある方

カーネステンクリームは、幅広い真菌感染症に有効な塗る治療薬です。白癬菌に関連する感染症に対しても有効です。

性行為をした後に、膣周辺が痒い、痛みがある方

カンジダによる感染症の可能性が高い方で、特に女性に発症しやすく、膣周辺のかゆみや腫れ、排尿時や性行為時の痛み、白いチーズ状のおりものがたくさん出たりします。このような場合にもカーネステンクリームを使用することで症状を改善していきます。

カーネステンクリームの適応症状

• •白癬（足部白癬（汗疱状白癬、趾間白癬）、頑癬、斑状小水疱性白癬）
• •カンジダ症（指間糜爛症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、皮膚カンジダ症、爪囲炎）
• •癜風

カーネステンクリームは、皮膚の真菌症治療薬として高い効果を示すことが実証されており、カンジダ症や白癬、癜風に対して高い有効率があることが実証されています。

有効率92.4%の高効果の抗真菌薬

カーネステンクリームは、性器や外陰部、摩擦が起きやすい皮膚に発症するカンジダ症に有効であり、白癬菌に起因する水虫やいんきんたむし、汗っかきの男性に見られる癜風など、真菌による不快な症状を改善する力を持っています。

カンジダ症への効果

以下は、カーネステンクリームがカンジダ症に対してどれだけ効果的であったかを示しています。

• •乳児寄生菌性紅斑：　97.6％（169/173症例中）
• •指間びらん症：　92.5％（62/67症例中）
• •間擦疹：　90.8％（79/87症例中）
• •皮膚カンジダ症：　89.2％（33/37症例中）
• •爪囲炎：　60.0％（12/20症例中）
• •全体：　92.4％（355/384症例中）

カーネステンクリームは、爪囲炎を除いて、いずれの症状でも90％以上の有効率を示しています。

白癬（水虫など）への効果

白癬は通気性が悪くジメジメとした温かい部位で発症し、足の水虫やいんきんたむし、斑状小水疱性白癬などが代表的な症状として知られています。カーネステンクリームは、これらの症状に対しても有効であり、下記の表に示される通り、各症状に対して70％から92％の高い有効率を示しています。

• •頑癬：　92.5％（173/187症例中）
• •斑状小水疱性白癬：　85.4％（41/48症例中）
• •足部白癬：　70.2％（144/205症例中）
• •全体：　81.4％（358/440症例中）

白癬全体に対するカーネステンクリームの有効率は81.4％と、非常に高い効果を示しています。

癜風への効果

カーネステンクリームは、癜風に対する治療効果も持ち、臨床試験により癜風への有効率は92.7％（38/41）と示されています。癜風は癜風菌が繁殖することで発症する皮膚疾患であり、角質の剥がれや淡褐色斑、脱色素斑などが症状として現れます。胸部、鼠径部、上腕、わきの下などに好発的に発症し、夏場や汗っかきの方に多く見られる症状です。

クロトリマゾールの効果

カーネステンクリームの主要成分である「クロトリマゾール」は、ドイツ・バイエル社によって合成された900種以上の誘導体の中から、最も広範囲かつ強力な抗真菌作用を有する成分として選ばれました。これによりカーネステンクリームは、世界で最初のイミダゾール系外用抗真菌薬となりました。クロトリマゾールは、白色の結晶性の粉末で、におい及び味はありません。カーネステンクリームは1g中にクロトリマゾールとして10mg（1％）を含有しています。

皮膚への浸透性と安全性

カーネステンクリームは、皮膚の角質層に対する浸透性が良く、皮膚の不快な症状のある部位に塗ることで速やかに皮膚に浸透し、強力な治療効果を得ることができます。そして、皮膚に対する刺激性が少ないため、ほとんど副作用を起こすことなく安心・安全に使用することができるのです。

これらの結果から、カーネステンクリームは有効率92.4％のカンジダ症治療に加え、白癬や癜風に対しても高い効果を示す抗真菌薬と言えます。カーネステンクリームの有効成分クロトリマゾールは、真菌に対する広範かつ強力な抗真菌作用を有し、皮膚の角質層に対する浸透性が良く、患部に速やかに浸透して治療効果を発揮するため、多くの皮膚症状に対して安心して利用することができます。

1回の用量	指の先から第一関節まで（約0.5g）出した量
1日の使用回数	2〜3回
使用間隔	6時間以上
使用のタイミング	入浴後など幹部や手を清潔にした後

カーネステンクリームを1日2～3回、クリームを指の先から第一関節まで（約0.5g）出した量を患部とその周辺に対して塗ってください。

1日2回の使用であれば、朝とお風呂上り後の2回、1日3回の使用であれば、朝、昼、お風呂上がりの3回と間隔を空けて塗るようにしてください。

使用時の注意

使用の前後には手を洗浄し、患部に汚れが付着しないように注意する必要があります。また患部だけでなく、患部周辺にもカーネステンクリーム を塗布することにより、周辺に白癬菌、カンジダ、癜風菌などの真菌の殺菌を行うことができ、再発の防止にもなります。

使用時には患部だけでなく、患部周辺に対しても使用していただくことをオススメします。

使用後のカーネステンクリームが眼や口など、別の場所に付着しないようにご注意ください。

保管方法

• •直射日光や高温多湿は避け、室温（1～30℃）で保管してください。
• •誤って服用する恐れがあるため、子供の手の届かない所に保管してください。

取り扱い上の注意

• •使用期限が過ぎた場合は使用しないでください。効果が発現しない可能性があり、また身体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
• •他の薬剤と間違えて使用したり、品質が変わる恐れがあるため、別の容器に入れ替えないでください。

カーネステンクリームの有効成分「クロトリマゾール」は、白癬菌、カンジダ、癜風菌などの真菌の真菌の細胞膜に作用することで抗真菌作用を発揮する治療薬です。クロトリマゾールは、真菌に存在するエルゴステロールで構成された細胞膜に作用することで、ヒトの細胞には影響を与えずに安全に治療効果を得ることができます。このようにして、クロトリマゾールが、真菌のエルゴステロールの合成を阻害し、真菌の発育を抑制または阻止することにより抗真菌作用を発揮し、患部の真菌に作用していきます。

カーネステンクリームに起きる副作用として以下のようなものがあります。

• •刺激感
• •皮膚炎
• •発赤（皮膚が赤くなること）
• •紅斑（皮膚表面にできる赤色の斑）
• •びらん（ただれ）
• •丘疹（皮膚の隆起、発疹の一つ）

カーネステンクリームは、副作用の少ない抗真菌薬とされていますが、このような副作用が起きた場合には使用を中止して、医師に相談するようにしてください。

併用禁忌

• •現在報告されていません

併用注意

• •現在報告されていません

カーネステンクリームは、最低でも2週間の継続使用がオススメされています。もしも症状が治まっても、指示された期間中は継続して使用しするようにしましょう。自己判断で使用を中断すると、症状が再発するおそれもあります。

参考サイト

• •医療用医薬品 : エンペシド｜KEGG
• •Clotrimazole topical｜Drugs.com
• •CLOTRIMAZOLE｜RxList

Q：カンジダの治療が終わって、いつ頃から性行為をしても大丈夫ですか？

A：治療が完了してから1、2週間が経過しても症状が完全に治まっているようであれば性行為が可能です。症状が続くようであれば病院を受診するようにしましょう。

Q：薬で水虫やカンジダを完治させることができますか？

A：薬で再発を完全に防ぐのは難しいです。例え、治療をしたとしても体内から白癬菌やカンジダなどの真菌が完全に消失していないことがあるからです。ちょっとした疲労や寝不足、ストレスなどによって体の免疫力が下がったときに再発することもあります。再発を防ぐためには健康的な日常生活を送ることも大切です。

Q：痒みがひどいので途中で薬の使用をやめたいのですが、その場合はどうしたら良いでしょうか？

A：自己判断でやめることはできません。しかし、刺激感が強かったり、発赤、皮膚がただれるような症状が出た場合には中止して、病院を受診するようにしましょう。