【マクロライド系抗生物質】アジスロマイシンとは?効果と使い方
💉 その他の治療薬|更新日: 2025年9月16日
アジスロマイシンとは
アジスロマイシン(Azithromycin)は、マクロライド系抗生物質の代表的な薬剤で、商品名「ジスロマック(Zithromax)」として広く知られています。1980年代にクロアチアの製薬会社プリバ(Pliva)によって開発され、現在では世界中で最も処方されている抗生物質の一つです。幅広い細菌感染症に対して高い効果を示し、特に呼吸器感染症や性感染症の治療に重要な役割を果たしています。
抗菌作用メカニズム
1
リボソーム結合
細菌の50Sリボソームに結合
2
蛋白質合成阻害
細菌の蛋白質合成を阻害
3
細菌死滅
細菌の増殖停止・死滅
アジスロマイシンの特徴
主な特徴と利点
- 長い半減期:組織内に長期間残存
- 短期治療:3日間の服用で効果継続
- 広域スペクトラム:多種の細菌に有効
- 組織移行性:感染部位に集中
- 副作用軽微:比較的安全性が高い
- 服薬コンプライアンス:短期間で治療完了
他の抗生物質との比較
| 項目 | アジスロマイシン | アモキシシリン | セファレキシン |
|---|---|---|---|
| 系統 | マクロライド系 | ペニシリン系 | セファロスポリン系 |
| 服用期間 | 3日間 | 5-7日間 | 5-7日間 |
| 服用回数 | 1日1回 | 1日3回 | 1日2-4回 |
| 食事の影響 | 軽微 | 食前推奨 | 食後推奨 |
| 非定型菌 | 有効 | 無効 | 無効 |
適応症・治療効果
呼吸器感染症
- 急性細菌性副鼻腔炎
- 急性中耳炎
- 咽頭・扁桃炎
- 気管支炎・肺炎
- 非定型肺炎(マイコプラズマ)
- 百日咳
性感染症
- クラミジア感染症
- 淋病(単独または併用)
- 骨盤内炎症性疾患
- 尿道炎・子宮頸管炎
皮膚・軟部組織感染症
- 蜂窩織炎
- 膿痂疹(とびひ)
- 毛嚢炎
- 創傷感染
用法・用量
標準用法・用量
- 成人標準用量:500mg 1日1回(3日間)
- 重症感染症:初日500mg、2-5日目250mg
- 性感染症:1回1000mg(単回投与)
- 服用時間:毎日同じ時間(食事に関係なく)
💡 服用のポイント
- • 症状改善後も処方日数分を完全服用
- • 飲み忘れた場合は気づいた時にすぐ服用
- • 次回分との間隔が近い場合は1回分とばす
- • 自己判断で中止せず医師に相談
副作用
一般的な副作用
- 下痢・軟便(最多)
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛・腹部不快感
- 食欲不振
- 頭痛
- めまい
- 皮疹・かゆみ
- 肝機能異常(軽微)
重大な副作用(稀)
- 偽膜性大腸炎:血便、激しい腹痛、発熱
- 重篤な肝障害:黄疸、肝機能数値異常
- QT延長・不整脈:動悸、胸部不快感
- 重症皮膚障害:Stevens-Johnson症候群
重要な注意事項
禁忌・注意
- • アジスロマイシンや他のマクロライド系薬剤にアレルギーのある方
- • 重篤な肝機能障害のある方
- • QT延長症候群の既往歴・家族歴のある方
- • 電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症)のある方
- • 心疾患(特に不整脈)のある方
慎重投与・相互作用
- • ワルファリン服用中の方(出血リスク増加)
- • ジゴキシン服用中の方(中毒症状のリスク)
- • QT延長作用のある薬剤との併用注意
- • 妊娠・授乳中の方(医師の判断で使用)
- • 高齢者(腎機能・肝機能の低下を考慮)
免責事項
※この情報は教育・参考目的で提供されており、医学的アドバイスの代替ではありません。
※薬物の使用前には必ず医師・薬剤師にご相談ください。
※個人輸入薬の使用は自己責任となります。

