【早漏治療薬】ダポキセチンとは?SSRI系の効果とメカニズム
💉 その他の治療薬|更新日: 2025年9月16日
ダポキセチンとは
ダポキセチン(Dapoxetine)は、早漏(premature ejaculation, PE)の治療に特化して開発されたSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。商品名「プリリジー(Priligy)」として知られ、ヤンセン・ファーマシューティカルズによって開発されました。従来のSSRIと異なり、早漏治療のみに特化した世界初の薬剤として、2009年にヨーロッパで承認されました。射精までの時間を延長し、性生活の質を改善する効果があります。
作用メカニズム
1
セロトニン再取り込み阻害
シナプス間のセロトニン濃度を増加
2
射精中枢抑制
脳幹の射精反射を抑制
3
射精時間延長
射精潜時(IELT)を3-4倍延長
他のSSRIとの違い
薬物動態の比較
| 項目 | ダポキセチン | パロキセチン | セルトラリン |
|---|---|---|---|
| 半減期 | 1.5時間(短い) | 21時間 | 26時間 |
| 最高血中濃度到達時間 | 1-2時間 | 5-6時間 | 4-8時間 |
| 服用方法 | 頓用(必要時のみ) | 連日服用 | 連日服用 |
| 適応症 | 早漏治療専用 | うつ病・不安障害 | うつ病・不安障害 |
| 離脱症状 | 最小限 | 注意が必要 | 比較的少ない |
ダポキセチンの独自性
- 短時間作用:速やかな効果発現と消失
- 頓用服用:性行為1-3時間前の服用
- 早漏特化:射精遅延に最適化された設計
- 離脱症状最小:短半減期により依存リスク低
- うつ症状なし:精神症状への影響最小限
- 性機能特化:ED治療薬との併用可能
臨床効果・データ
射精潜時(IELT)延長効果
ベースライン
0.9分
治療前の平均時間
30mg服用後
2.5分
約2.8倍の延長
60mg服用後
3.2分
約3.6倍の延長
臨床試験結果
12週間治療効果
- • 射精コントロール改善:78%
- • 性的満足度向上:85%
- • パートナー満足度向上:82%
- • 性生活困窮感軽減:73%
患者報告アウトカム
- • 自信の向上:80%以上
- • 性的関係改善:75%以上
- • QOL向上:70%以上
- • 治療継続希望:88%
用法・用量
標準用法・用量
- 推奨開始用量:30mg(性行為の1-3時間前)
- 最大用量:60mg(効果不十分時に増量)
- 服用頻度:24時間以内に1回まで
- 服用方法:十分な水と一緒に服用(食事の影響軽微)
💡 効果的な服用法
- • 最適服用時間:性行為の1-2時間前
- • アルコールとの併用は控えめに
- • 初回は30mgから開始し効果を確認
- • 連続使用時は24時間間隔を厳守
- • ED治療薬との併用可能(医師相談)
副作用
一般的な副作用
- 頭痛(最多:約12%)
- めまい・ふらつき
- 吐き気・嘔吐
- 下痢・軟便
- 疲労感・倦怠感
- 不眠・眠気
- 発汗増加
- 食欲低下
※ 多くの副作用は軽度から中等度で、短半減期のため速やかに軽快します
重大な副作用・注意すべき症状
- 失神・気絶:起立性低血圧による意識消失
- 重篤なめまい:転倒リスクを伴う強いめまい
- 躁・軽躁状態:異常な興奮・多弁・睡眠不足
- セロトニン症候群:他のセロトニン作動薬との併用時
重要な注意事項
禁忌・使用不可
- • 他のSSRI・SNRI・MAO阻害薬服用中の方
- • 重篤な心疾患(心不全、伝導障害、虚血性心疾患)
- • 未治療または不安定な躁うつ病
- • 重度の肝機能障害
- • 18歳未満(安全性未確立)
- • ダポキセチンにアレルギーのある方
慎重投与・相互作用
- • CYP3A4阻害薬との併用(ケトコナゾール、リトナビルなど)
- • アルコールとの併用(失神リスク増大)
- • 起立性低血圧の既往歴のある方
- • てんかんなどの痙攣性疾患
- • 軽度から中等度の肝機能・腎機能障害
- • 65歳以上の高齢者
免責事項
※この情報は教育・参考目的で提供されており、医学的アドバイスの代替ではありません。
※薬物の使用前には必ず医師・薬剤師にご相談ください。
※個人輸入薬の使用は自己責任となります。

